お茶の歴史【歴史コラム】

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 朝夕は涼しくなりましたが、日中はまだ夏日も多い今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか?汗をかいた際の水分補給はとても大事ですが、血糖値に与える影響を考えると糖質を多く含むジュースはおすすめできません。診察室では「お茶かお水を飲んでね!」ということが多いので、本日のテーマはお茶の歴史です。
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道長も飲んだお茶

 茶が唐から日本にもたらされたのは奈良時代あたりといわれております。当時のお茶は茶葉を圧縮して固めた団茶の形態でした。天平元年(723年)、聖武天皇が宮中で行われる仏事の際に茶を出した記録が残っています。当時のお茶は貴重品で、口にできるのは皇族や貴族、僧侶など身分の高い人たちのみ。そうそう、藤原道長が糖尿病での口の渇きをいやすために茶を飲んだということが同時代の貴族が記した『小右記』に書かれております。

武士から庶民の飲み物に

 この時代の飲茶の習慣は遣唐使の廃止後一旦廃れてしまい、再興したのは平安末期から鎌倉時代に活躍した僧、栄西でした。栄西は南宋で禅を学び、臨済宗を開いたことで有名ですが、お茶も持ち帰っていたのです。この頃のお茶は現在の抹茶に近い形態だったそうです。
 鎌倉末期になると茶葉の栽培地域が拡大、社交の手段として武士階級にも浸透いたしまいた。室町時代には茶の産地を当てる『闘茶』が流行し、15世紀後半に千利休らが茶の湯を完成させました。
 現在のような煎茶が作られるようになったのは江戸時代、お茶を飲む習慣は庶民にも広がりました。幕末から明治中期までは輸出品の一角を担っていた日本茶ですが、明治中期からはインドやスリランカ紅茶の台頭で輸出量が減り、国内で消費されるようになりました。
 今はお湯を沸かさなくても、ペットボトル入りのお茶が手軽に購入できます。昔は超高級な飲み物だと考えるとちょっとうれしくなっちゃいますね!

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