【第37回】GLP-1受容体作動薬ってどんなお薬?【糖尿病教室Shorts】

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こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。

内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。

今回は第37回として、「GLP-1受容体作動薬ってどんなお薬?」というテーマで簡単にまとめています。

ぜひご覧になってください。


目次

GLP-1受容体作動薬に分類される薬

今回解説する『GLP-1受容体作動薬』に分類されるのは、下記の7種類です。

一般名商品名
リラグルチドビクトーザ
エキセナチドバイエッタ
リキシセナチドリキスミア
持続性エキセナチドビデュリオン(週1回製剤)
デュラグルチドトルリシティ(週1回製剤)
セマグルチドオゼンピック(週1回製剤)
リベルサス(経口薬)
チルゼパチド
(GIP・GLP-1受容体作動薬)
マンジャロ(週1回製剤)

『リベルサス』というお薬以外は、すべて注射薬になります。

糖尿病がある方は、ぜひご自身のお薬手帳を確認して、これらの薬を使用していないかチェックしてみて下さい!

もし使用中の場合は、特に今回の内容はしっかり押さえておきましょう。

GLP-1受容体作動薬ってどんなお薬?

GLP-1受容体作動薬は、前回の記事で解説したDPP-4阻害薬と同じく『インクレチン関連薬』と呼ばれる薬の1つです。

ヒトが食事を摂ったときに消化管(胃や腸)から分泌されて、インスリンを出す手助けをしてくれるのが『インクレチン』というホルモンでした。

前回の記事を読んだ方なら分かる通り、DPP-4阻害薬は「血液中のインクレチン濃度を上げて、インスリンを出す手助けをしてくれる」というお薬でした。

この『インクレチン』というホルモンの代表が『GLP-1』です。

つまりGLP-1受容体作動薬とは、『GLP-1』に似た物質を直接身体に投与することで、インスリンを出す手助けをするお薬になります。

DPP-4阻害薬と同様、血糖値が高いときだけインスリンを出す手助けをしてくれるお薬なので、GLP-1受容体作動薬が単独で低血糖を起こすことは基本的にはありません。

また、薬の種類にもよりますが、GLP-1受容体作動薬は食欲を抑えて体重を落とす効果が期待できるため、肥満を伴う2型糖尿病の患者さんにはとても良い適応です。

反対に、この食欲を抑えるという作用が強く出過ぎてしまうと、人によっては吐き気・嘔吐などの副作用につながることがあります。

また、便秘・下痢などの便通の異常も副作用として有名です。

GLP-1受容体作動薬はこの『体重を落とす』という作用から、『痩せ薬』的な扱いで不適切に処方されてしまうことも多いお薬です。

お薬は健康に近づくために使うもの。

既に健康的な標準体型(BMI 22)程度の方が、さらに痩せるために使うべきお薬ではありません。

この辺りの問題も含め、GLP-1受容体作動薬は糖尿病内科医の中でも非常に話題になりやすいお薬です。

お薬ごとに特徴も異なる点があり、またいずれ細かく解説することになると思います…!


今回の内容は以上となります。

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