【第5回】インスリンが出てるかはどう判断するの?【糖尿病教室Shorts】

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こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。

内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。

今回は第5回として、『インスリンが出てるかはどう判断するの?』というテーマで簡単にまとめています。

からだの中からインスリンがちゃんと出ているかどうかは、インスリン注射を行った方が良いかどうかの治療の分かれ道で、とても大事なことです!

ぜひご覧になってください。


目次

インスリン分泌の指標

前回の記事でもお伝えしたように、身体からどれくらいインスリンを出せているかが糖尿病治療の分かれ道になることもあります

それでは、インスリンがどれくらい身体から出ているかを調べる方法はあるのでしょうか?

もちろん血液検査で調べることができます

よく使われるのは『Cペプチド』という項目です。

Cペプチドは、膵臓からインスリンが分泌される直前に発生する物質です。

そのため、インスリンがたくさん分泌されるほどCペプチドも多くなるので、インスリン分泌量の指標になるわけですね。

血液検査で直接インスリンの濃度を測定することもできますが、たとえばインスリン注射をしている人では、注射したインスリンも一緒に測定されてしまうため、身体から出ているインスリンの量を推定することができなくなります。

その点Cペプチドであれば、純粋に体内で作られているインスリン量の指標にすることができます。

ちなみにCペプチドを測定するに当たって、下記の点には注意する必要があります。

  • 基本的には空腹時に測定する(食後に測定すると大きく上昇する)
  • 同時に測定した血糖値も踏まえて判断する
  • 腎機能の影響を受ける(腎機能が悪いと高くなる)

ちなみにCペプチドは毎回の血液検査で測定するような項目ではないため、ご自身の血液検査結果に載っていなくても不思議ではありません。

『そろそろインスリン分泌の程度を見たいな』と主治医が判断した場合に測定される項目、くらいに思っておいて下さい。

血液検査以外の指標は?

血液検査以外でインスリン分泌の程度を推定することはできるのでしょうか?

前回の記事でも少し触れていますが、一つのヒントになるのは『体型』です。

インスリンは筋肉や脂肪を作る上で必要なホルモンでしたよね。

逆に言えば、インスリンが明らかに不足している場合、筋肉や脂肪の量を維持することができず痩せていきます

つまり痩せ型の糖尿病の方や、(食事量は変えていないのに)急激に体重が落ちて糖尿病を発症した方などはインスリン分泌低下が疑われます。

反対に肥満体型の糖尿病の方は、その体型を維持するだけの充分なインスリンが出ていることが多いため、インスリン抵抗性が主体の糖尿病である可能性が高いです。

もちろん例外はありますが、ざっくり言えば…

  • 肥満を伴う糖尿病の方:『インスリン抵抗性』主体の糖尿病の可能性が高い
  • 痩せ型/体重減少を伴う糖尿病の方:『インスリン分泌低下』主体の糖尿病の可能性が高い

ということです。

そのため我々は、痩せ型の糖尿病の方を前にすると『インスリンが足りていないかもしれない』と考えて、早期からインスリンの導入を勧めたりすることもあります。


今回の内容は以上となります。

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