【第29回】運動療法ってどんな効果があるの?【糖尿病教室Shorts】

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こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。

内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。

今回は第29回として、運動療法ってどんな効果があるの?」というテーマで簡単にまとめています。

ぜひご覧になってください。


目次

運動療法の効果

今回は『糖尿病治療ガイド 2022-2023』に掲載されている、運動により期待できる効果を紹介します!

当たり前のように感じる内容かも知れませんが、運動によって得られる効果は多岐にわたるということを改めて確認しておきましょう!

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① ブドウ糖、脂肪酸の利用が促進され血糖値が低下する

運動療法は長期間続けることで得られる効果と、運動してすぐに期待できる効果があります。

運動してすぐに得られる効果として、体内のブドウ糖・脂肪酸の利用が促進されることで、血糖値の低下が期待できます

血糖値を下げる効果が期待できることから、特に血糖値が上がりやすい食後1時間頃の運動がおすすめです。

② インスリン抵抗性が改善する

運動療法を長期間続けることで、インスリン抵抗性の改善が期待できます。

『インスリン抵抗性』について解説した記事はこちら↓

インスリン抵抗性が改善すると、体内のインスリンや注射で投与しているインスリンが効きやすくなり、薬の必要量が減る可能性もあります!

③ 減量効果が期待できる

当たり前ではありますが、運動を継続することで消費エネルギー(カロリー)が増えて減量効果が期待できます。

体重の増減を規定しているのは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスです。

「さほど食事量は多くないはずなのになかなか体重が落ちない」という方は基礎代謝が低い可能性があります。

その場合、食事量をさらに減らそうとするよりも運動をして消費エネルギーを増やす方が現実的です。

肥満がある場合には減量することで血糖値が上がりやすい体質も改善する可能性が高いため、やはり減量は重要だと言えるでしょう。

④ 加齢や運動不足による筋萎縮や、骨粗鬆症の予防に有効である

歳を重ねると、どうしても筋力が落ちたり骨が弱くなってしまうものです。

特に糖尿病がある方の場合、筋力が落ちやすかったり、骨折のリスクも高いことが知られています。

運動を続けることは、こうした筋力の低下や骨粗鬆症の予防に有効です。

高齢になって体力が低下してからだと、そこから運動習慣を身につけようとするのはなかなか大変です。

そうなる前から運動習慣を身につけておきましょう!

⑤ 高血圧や脂質異常症の改善に有効である

糖尿病がある方は、高血圧や脂質異常症(高脂血症や高コレステロール血症)も合併しやすいです。

そして糖尿病・高血圧・脂質異常症の3つは、いずれも動脈硬化を進めるリスク因子です。

運動は糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症も改善させることが期待でき、動脈硬化のリスク因子全般を抑えてくれるわけです!

⑥ 心肺機能が向上する / ⑦ 運動能力が向上する

言うまでもないことですが、継続的に運動することで心肺機能や運動能力が向上します。

このあたりも歳を重ねてきたときにとても重要になってくるポイントですね!

⑧ 爽快感、活動気分など日常生活のQOLを高める効果が期待できる

運動をすると、爽快感が得られたり活動的な気分になって、精神面でも良い影響が期待できます。

さまざまな研究でも、運動習慣を持つことで生活の質(QOL=クオリティ・オブ・ライフ)が向上することが期待できることが示唆されています。

身体的だけでなく、精神的にも人生を豊かにするために運動習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。


今回の内容は以上となります。

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