【第21回】糖尿病がある場合の血圧目標は?【糖尿病教室Shorts】

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こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。

内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。

今回は第21回として、「糖尿病がある場合の血圧目標は?」というテーマで簡単にまとめています。

ぜひご覧になってください。


目次

なぜ血圧も管理しないといけないの?

『糖尿病教室』シリーズなのに、なんで血圧の話をするの?

と思った方もいるかもしれません。

しかし、糖尿病がある方こそ血圧管理が重要なんです。

高血圧も糖尿病と同様、自覚症状がほとんど出ないけれども影でじわじわと身体を蝕む病気です。

血圧が高い状態が続くと何が起こるのでしょうか?

みなさんもよくご存じかと思いますが、一番有名なのは『動脈硬化』ですよね。

動脈硬化は糖尿病の『大血管障害』としても知られています。

以前解説しているため、まだご覧になっていない方はそちらからどうぞ!

ほかにも、血圧が高い状態が続くと腎臓のはたらきが徐々に悪くなることがあります(良性腎硬化症)。

糖尿病でも腎臓を悪くしてしまう『腎症』という合併症が有名ですよね。

こちらも以前記事で解説しています!

このように、高血圧によって起こる動脈硬化腎機能の悪化は、糖尿病の合併症としても共通しているわけです。

糖尿病と高血圧の両方を持っている方の場合、動脈硬化や腎臓を悪くするリスクがさらに高くなってしまうことは容易に想像できますよね。

糖尿病の治療目標を覚えていますか?

こちらの通り、『糖尿病のない人と変わらない寿命とQOL』を目指すことでした。

この図の真ん中には、『動脈硬化性疾患の発症、進展の阻止』という記載もあります。

動脈硬化や腎機能の悪化を阻止するために血圧管理も重要なわけですから、血圧管理も広い意味では糖尿病の治療に含まれると言えるのではないでしょうか?

血圧の目標値/治療開始の目安は?

それでは、実際にどれくらいの血圧を目指せば良いのでしょうか。

『高血圧治療ガイドライン2019』によれば、糖尿病を合併した高血圧の場合、血圧の目標値は130/80mmHgとされ、糖尿病診療ガイドラインでもこれが採用されています。

ちなみにこれは病院での血圧(診察室血圧)で、ご家庭での測定の場合、目標値は125/75mmHgになります。

治療開始の基準については、140/90mmHg以上であればすぐにお薬(降圧薬)で治療開始することが推奨されています

130〜139/80〜89mmHgの場合、1ヵ月までは生活習慣の修正で目標を達成できないか試して、厳しければお薬を使うことが推奨されています

みなさんが思っているより、目標も治療開始の基準も厳しかったのではないでしょうか?

糖尿病が合併しているからこそ、動脈硬化や腎機能の悪化を阻止するために厳しく血圧も管理していきましょう!


今回の内容は以上となります。

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