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糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。
内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。
今回は第43回として、「正常なインスリンの分泌パターンは?」というテーマで簡単にまとめています。
ぜひご覧になってください。
これまでの記事では、糖尿病の飲み薬に関して簡単にまとめてきました。
飲み薬は一通り紹介し終わったので、これからはインスリン製剤について解説しようと思うのですが、その前に。
インスリン製剤を理解するためには、糖尿病がない場合の正常なインスリン分泌のパターンについて理解しておく必要があります。
今回はそんな内容です。
糖尿病がない方におけるインスリン分泌パターン
糖尿病がない方の体では、インスリンは下図のように分泌されています。
基礎分泌
インスリンは血糖値を下げるホルモンなので、食事を摂っていないときには必要ないと思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、実は食事を摂っていない空腹時にも、インスリンは24時間じわじわと少量ずつ分泌されています。
この一定の分泌を『基礎分泌』と呼びます。
ヒトの体内には血糖値を上げる作用のあるホルモンが多数存在します。
食事をしていない間にも血糖値を上げる様々なホルモンは働いているため、それらとバランスをとるために基礎分泌があるわけですね。
追加分泌
そして食事を摂った時には、食べ物の中の糖質をエネルギーに変換するために、インスリンが一時的に大量に分泌されます。
これを『追加分泌』といいます。
この追加分泌が、食後の血糖値の急上昇を抑える役割を果たします。
糖尿病ではインスリンの分泌がどう変わる?
糖尿病の患者さんでは、この基礎分泌と追加分泌のどちらも低下していることが多く、これによって血糖値が上昇してしまいます。
ただし人によってその程度は異なるため、「空腹時から血糖値が高い(=基礎分泌が不足)」という方もいれば、「食後にだけ大きく血糖値が上がる(=追加分泌が不足)」という方もいらっしゃいます。
インスリン製剤の役割
このように、ひと言に糖尿病と言っても人によって病態は異なります。
そしてインスリン製剤は、どんな患者さんでもなるべく健常人のインスリン分泌パターンに近づけることを目指して開発されています。
今後のインスリン製剤の解説では、こうした基礎分泌と追加分泌の考え方が重要になりますので、ぜひ今回の内容を覚えておいてください!
今回の内容は以上となります。
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