こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。
内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。
今回は第23回として、「低血糖だとどんな症状が出るの?」というテーマで簡単にまとめています。
ぜひご覧になってください。
血糖値が上がりやすい体質の病気である糖尿病。
血糖値を下げるためにさまざまなお薬を使ったりするわけですが、中には血糖値を下げ過ぎてしまうお薬もあります。
低血糖は糖尿病で治療されている方にとってとても恐ろしいものです。
今回はそんな低血糖のときにどんな症状が出るのかについて解説します!
低血糖だとなんで症状が出るの?
まず、『血糖値が下がりすぎるとなぜ症状が出るのか』について知っておきましょう。
ヒトに限らず、動物の血糖値(=血液中のブドウ糖濃度)はある一定の範囲内に収まるように調整されています。
その理由は、ブドウ糖が脳の主なエネルギー源だからです。
ブドウ糖がある程度血液中になければ脳が働けなくなり、生命を維持できなくなってしまうわけですね。
つまり、血液中のブドウ糖の濃度(=血糖値)が下がりすぎると、脳由来の症状(中枢神経症状)が出るわけです。
また、血糖値が下がりすぎると、身体は血糖値を上げようとする努力をします。
血糖値を上げるための手段の一つが、身体を臨戦態勢にする『交感神経』という自律神経を刺激することです。
交感神経は血糖値を上げるだけでなく、それ以外にも全身の症状を起こすため、低血糖ではそのような交感神経刺激症状も出ることになります。
まとめると、低血糖を起こしてしまうと、血糖値を上げるための身体の反応である①交感神経刺激症状と、脳のエネルギー不足が原因で起こる②中枢神経症状が出るわけです。
どんな症状が出るの?
それでは、具体的にどんな症状が出るのでしょうか。
血糖値を上げようとして起こる交感神経刺激症状は、身体を臨戦態勢にするような神経です。
そのため、心拍数が上がって動悸や頻脈を起こしたり、手の震えが起こったり、ほかにも冷や汗をかいたり顔色が青白くなったりします。
そして、脳のエネルギー不足が原因で起こる中枢神経症状は、頭痛や目のかすみ、空腹感、眠気などが代表的です。
ひどい低血糖の場合は、中枢神経症状として痙攣や昏睡状態になってしまうこともあります。
低血糖で意識を失って救急車で運ばれてきた方が、病院でブドウ糖を注射するとみるみる意識が回復したりすることも珍しくありません。
低血糖症状はとても辛いので、糖尿病の治療はなるべく低血糖を起こさないことを前提として、可能な範囲で血糖管理をしていく、というのが最近の風潮です。
また、低血糖を頻繁に起こしている方の場合、低血糖の状態に身体が慣れてしまって症状が出づらいことがあります。
症状がなければ問題がない、ということはもちろんありません。
症状がない低血糖(無自覚低血糖)でも、繰り返していると動脈硬化が進行したり、認知症のリスクが上がったりすることが知られています。
症状の有無に関わらず、やはり低血糖はなるべく避けるような治療を目指す必要があるわけです。
今回の内容は以上となります。
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