こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。
内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。
今回は第15回として、「糖尿病の大血管障害ってなに?」というテーマで簡単にまとめています。
ぜひご覧になってください。
『動脈硬化』ってなに?
前回までの記事では『細小血管障害』、つまり細い血管に起こる合併症について解説してきました。
今回は太い血管に起こる『大血管障害』について解説します!
太い血管に何が起こるかというと、簡単に言えば『動脈硬化』です。
『動脈硬化』と聞くと、血液を心臓から各臓器に送り届けるための『動脈』が『硬くなる』というイメージを持たれる方が多いです。
しかし「硬くなったら何が問題なの?」と思いますよね。
そこで、もっと簡単に『動脈の内側が狭くなって、詰まりやすくなる』のが動脈硬化だと考えてください!
『動脈硬化』が進むとどうなるの?
各臓器に血液を届ける『動脈』が詰まってしまうと、そこから先の細胞には酸素や栄養が届かなくなってしまいます。
この結果として起こる有名な病気は『脳梗塞』や『心筋梗塞』です。
『脳梗塞』とは、脳のどこかの血管が詰まってしまい、その血管が管轄していた領域の神経が死んでしまう病気です。
どこの血管が詰まるか次第で症状は変わりますが、一般的によく知られている症状は麻痺ですね。
腕や脚を動かす神経が死んでしまうことで、腕や脚を動かせなくなってしまうわけです。
根元の太い血管が詰まってしまったり、生体機能を維持するために必要な神経が死んでしまったりすると、直接命に関わることもあります。
『心筋梗塞』も脳梗塞と同様に、心臓を動かす筋肉(心筋)に行き渡っている血管が詰まって、一部の心筋が死んでしまう病気です。
発症した途端に不整脈を起こして心臓が止まってしまうこともあります。
そこまで至らずとも、心臓を動かす力が落ちてしまって『心不全』を起こすことが多いです。
脳の神経や心臓の心筋はほとんど再生しないので、脳梗塞による麻痺や心筋梗塞による心不全は、一度発症してしまうと元の状態まで改善させることは困難です。
その他にも、脚に血流を送っている動脈が狭くなると、脚の血流が悪くなって怪我が治りにくくなったり、感染を起こして切断せざるを得なくなる場合もあります。
これは、糖尿病の『末梢神経障害』で足の怪我に気づきにくくなっていることも要因の一つですね。
動脈硬化を進めさせないためには?
今回は糖尿病の合併症『大血管障害』として動脈硬化の解説をしてきました。
しかし、動脈硬化自体は糖尿病だけでなく、高血圧や高コレステロール血症などでも進行するもの。
動脈硬化を進めさせないためにも、血糖値だけでなく血圧・脂質などもしっかり管理していきましょう!
今回の内容は以上となります。
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