【第24回】糖尿病の食事療法、まず何に気をつける?【糖尿病教室Shorts】

  • URLをコピーしました!

こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。

内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。

今回は第24回として、糖尿病の食事療法、まず何に気をつける?」というテーマで簡単にまとめています。

ぜひご覧になってください。


糖尿病とはじめて診断されても、普段の食事のどんなところから気をつければ良いのか分かりませんよね。

とはいえ、人それぞれ食生活はまったく異なるので、一人一人に合わせたアドバイスをするには、管理栄養士さんから『栄養指導』を受けるしかありません。

しかし、ある程度みなさんに共通して言えるアドバイスもあります。

今回は日本糖尿病学会が作っている『糖尿病治療ガイド 2022-2023』にも掲載されている、7つの食事療法のアドバイスをまとめました。

当たり前に感じる項目が多いかもしれませんが、意外と守れていないもの。

ぜひ参考にしてみてください!

目次

食事療法の7つのポイント

① 腹八分目とする

いつも満腹になるまで食べていると、どうしても体重が増えてしまうもの。

しかも、満腹感は遅れてやってきます

いつも満腹まで食べている方の場合は、腹八分目程度にすることで「少し物足りないな…」と感じるかもしれませんが、30分後くらいには意外と充分食べた気持ちになっているものです。

特に肥満を合併している糖尿病の方には意識してもらいたい項目です!

② 食品の種類はできるだけ多くする

最近は三大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物のバランス(PFCバランス)を重視する人も多いです。

しかし、PFCバランスを重視した結果、いつも同じような献立になっていないでしょうか?

たしかにPFCバランスは重要ですが、それ以外にもビタミンやミネラルなど、栄養素は多数存在します。

特定の食事ばかりをいつも食べていると、一部の栄養素が欠乏してしまうリスクがあるわけです。

そのため、三大栄養素のバランスもさることながら、食品の種類はなるべく多くすることも意識しましょう!

③ 動物性脂質(飽和脂肪酸)は控えめに

もちろん、摂りすぎに注意しなければならない栄養素も存在します。

特に、動物性の脂質に多く含まれている『飽和脂肪酸』が過剰にならないようにすることは重要です。

なぜかというと、飽和脂肪酸を多く摂取していると動脈硬化が進行しやすいことが分かっているからです

糖尿病では『大血管障害』といって、動脈硬化が原因で起こる合併症があることもこれまでに解説してきました。

糖尿病という動脈硬化が進みやすい病気を持っているからこそ、その他の動脈硬化を引き起こす要素には人一倍気をつける必要があるわけです。

④ 食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこなど)を摂る

食物繊維は、水に溶ける『水溶性食物繊維』と水に溶けない『不溶性食物繊維』の2つに分けられます。

水溶性食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにするはたらきがあり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれることが期待できます。

それに対して、不溶性食物繊維は便秘を防ぐ効果があります。

どちらも積極的に摂っていきたい栄養素です。

野菜や海藻類、きのこなどに多く含まれているため、これらを日頃の食事に取り入れるようにしましょう!

⑤ 朝食、昼食、夕食を規則正しく

1日1食や2食という方も世間には意外といらっしゃいますよね。

しかし、1日分のエネルギー(カロリー)を1回や2回で摂ろうとすると、そのときの血糖上昇が非常に大きくなってしまいます。

同様の理由で、1日3食摂っていたとしても、どこかにひどくエネルギーが偏ってしまうのも良くないです。

朝昼夕をバランス良く摂るようにしましょう!

⑥ ゆっくりよくかんで食べる

早食いは肥満のリスク要因です。

ゆっくりよく噛んで食べることで、普段よりも少ない量で満腹感が得られるようになり、食欲を抑えられることが知られています

また、咀嚼回数が増えることで唾液の分泌が促進されて、消化を助けるはたらきも期待できます。

⑦ 単純糖質を多く含む食品の間食を避ける

『単純糖質』とは、身体の中ですぐに消化・吸収されやすい形の糖質を指します。

たとえば低血糖の時によく使うブドウ糖や、果物に含まれる果糖、それから一般的な砂糖(ショ糖)などが代表的です。

消化・吸収が素早い糖質ということは、血糖値が急激に上昇しやすいとも言えます

これらを多く含む食品(特にお菓子類やジュースなど)を間食として摂ってしまうと、三食とは別のタイミングで大きく血糖値が上昇することになります。

間食自体を減らすことがもっとも重要ではありますが、仮に間食する場合でも、単純糖質を多く含むものはなるべく避けるようにしましょう!


今回の内容は以上となります。

本サイト『あおいろサークル』は、SNS上で糖尿病の啓発活動を行ってきた複数の糖尿病内科医による、糖尿病と関わるすべてのひとのためのメディアです!

今回のようにYouTubeで動画コンテンツも定期的にUPしているので、ぜひチャンネル登録お願いします!

Twitter(@aoiro_circle)でも更新情報をお伝えしますので、是非お気軽にフォローお願い致します!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次