こんにちは!
糖尿病を楽しく知るメディア『あおいろサークル』です。
内科医トワ(@DrTowa108)による、糖尿病という病気に対する理解を深めるためのエッセンスをまとめた『糖尿病教室Shorts』シリーズ。
今回は第11回として、「糖尿病の末梢神経障害ってなに?」というテーマで簡単にまとめています。
ぜひご覧になってください。
『末梢神経』ってなに?
糖尿病の合併症の中でも『細小血管障害』に分類される『神経障害』。
細小血管障害の中でも一番最初に発症しやすい合併症です。
神経障害の中でも今回は『末梢神経』の障害について解説します!
『末梢』というのは末端、つまり『端っこ』みたいな意味。
その名の通り『末梢神経』とは、手や足の指先など、身体の端っこに分布する細い神経のことを言います。
こうした手先・足先の神経というのは、同じく手先・足先を走っている細い血管から栄養や酸素を受け取っています。
前回の記事でも解説したように、細小血管障害というのは『細小血管』=『細い血管』に問題を起こす合併症。
細い血管に問題が起きれば、その血管から栄養や酸素を受け取っていた末梢神経にもダメージがいくわけです。
手袋や靴下を履いているような感覚障害
糖尿病の『末梢神経障害』は、主に『感覚神経』の障害です。
『運動神経』という、脳からの命令で筋肉を動かすような神経もありますが、糖尿病の神経障害では運動神経が問題を起こすことは比較的まれです。
『感覚神経』が障害されるとどうなるのか。
『感覚』の異常が起きてくるので、ジンジンするような異常感覚を起こしたり、感覚が鈍くなったりします。
これが手先や足先を中心に起こってくるため、糖尿病の末梢神経障害は『手袋靴下型の感覚障害』と呼ばれています。
つまり、両手・両足に手袋や靴下をはめているかのような感覚の鈍さが生じる、というわけです。
足の切断につながる恐れも…!?
感覚が鈍くなると、痛みや熱さなども感じにくくなります。
それだけを聞くと、「痛みや熱さを感じないってむしろ良いことじゃない?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、怪我や火傷をしても気づきにくくなるのは問題です。
手ならまだしも、足の裏などは自分からは見えづらい場所。
怪我や火傷に気づけなければ、消毒などの適切な処置がなされません。
しかも足の裏というのは、靴下や靴によって長時間不衛生な環境に晒されがちです。
足の怪我・火傷に対して適切な処置がなされず、菌が侵入して繁殖してしまう。
それによって足の感染が取り返しのつかないこととなり、切断せざるを得なくなるようなこともあります。
糖尿病がある方はそうした事態を避けるためにも、日頃から足に問題が起きていないかをチェックする『フットケア』を意識するようにしましょう!
今回の内容は以上となります。
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